山を歩くのが楽しい!という感覚は久々だったな。
夏の終わりに、ずっと行きたい行きたいと思っていた奈良県と三重県の境にそびえる大台ケ原山へ。
登山者初心者でも日本の秘境を存分に味わえる大台ケ原
「日本百名山」「日本百景」「日本の秘境100選」にも選出されている、関西ではそこそこ有名な景勝地です。山全体が国の特別天然記念物に指定されていることに加え、吉野熊野国立公園としても指定されるなど、諸々のお墨付きの日本の名山中の名山。その山の一部が一般登山者でも気軽に訪れることができるように整備されており、美しい日本の山風景を堪能することができます。
大阪市内から車を走らせること約3時間。場所が場所だけに、その半分ほどは下道を走ることになり、極めつけはラストスパート、曲がりくねった山道がおおよそ4、50分ほど続きます。急カーブが続くのと場所によっては道幅も狭く、どうかスレ違いの車が来ないことと、後ろからレーサーみたいな車に煽られないことを祈りましょう。登りきった先には、大台ケ原ビジターセンターと駐車場が待っています。
一般の登山者が事前手続きなしに訪れることができるのは、東大台というエリアでよく写真で見かけるような風景もこちらで見られる。また初心者〜上級者までコースも別れているので、初心者の方はその辺りをビジターセンターの方に相談してみるといいかと思います。
今回はもちろん初心者コース。ぐるっとのんびり周って3時間半〜4時間ほどでしょうか。途中、写真に夢中になったり、おにぎり食べたり休憩したりしてたのでよく分からないが、ビジターセンターではそう言われました。
ご参考までに、上北山村役場さまのHPからマップを拝借して貼り付けておきます。
コース自体は遊歩道が整備されている部分もあったりと登山というよりは、トレッキングに近いコースなので、初心者の方でも安心して楽しめるかと思います。さて、大台ケ原は歩いていると、とても稀有な生態系をしていることが分かります。緑いっぱいの森の地面には背丈の低い笹の葉がひしめきあっていたり、場所によっては一面に青々とした苔がはえていたり、山頂付近では立ち枯れした木々が立ち並んでいたりと。発端はおおよそ50年前に起きた伊勢湾台風の影響のようですが、自然の輪廻的なものを感じさせられる。そんなことも考えながら歩いていると、とてもこの山に興味が湧き、それだけでも普通の山とは違った面白さと愛情が湧いてくる。
兎にも角にも、ここで出逢う多種多様な自然風景には本当に癒やされます。
森を抜けると景勝スポットの1つでもある展望デッキと日出ヶ岳へ
天国へ続くような階段を登りきった先には、素敵な展望台が。
日出ヶ岳(1,695m)
ここから天気のいい空気が澄んだ日には、遠くに富士山も望めるんだとか。
写真では分かりづらいけど、山の向こう三重県方面には海も見えてます。
この日出ヶ岳から、正木峠という峠あたりには、先にも書いた伊勢湾台風で被害を受けた立ち枯れのトウヒの木々が立ち並ぶ。
何だろう、この淋しげな雰囲気は。一度、破壊された森は簡単には元の状態には戻らないんだよね。
山の天気は変わりやすいと言いますが、これまで青空が見えてたのに、この後一気に霧なのか雲なのか流れてきて、たちまち白い世界に包まれました。元々、大台ケ原は屋久島同様に年間の降雨量がとても多く、雨の山と言われるほどだとか。
そして、いよいよ最後に大台ケ原を代表する景勝地でもある大蛇嵓(だいじゃぐら)へ。
断崖絶壁の絶景!大蛇嵓
突き出した岩の端っこぎりぎりまで進むことができて、そこからは大台ケ原周辺の山々を見渡す大パノラマの風景が見られます。高所恐怖症の方はきっと足がすくむかと思います。岩肌もツルッツルしてるので、ここだけはスニーカーだと結構、怖かった。一応、チェーンで囲ってくれてはいますけどね。
生憎、ややガスってて写真だと全然この素晴らしさが伝わらないけど、ここはもう本当に感動の景色!
こんなんじゃないなー(笑)これは、行ってみた人にしか分からない絶景。
秋の紅葉シーズンもそれはそれは素晴らしい風景が楽しめるみたいです。でも、この青々とした夏の山の風景も自分的には最高だったな。とにかく、雨が多い大台ケ原なので、雨に打たれずこの風景を拝めただけでもラッキー!
というような具合で、久々にちゃんと山を歩いた。山歩きってこんなに楽しいんだって久々に感じた。むしろ、ここまで楽しいと感じたのは初めてかも。山歩きって、なんだかしんどいというイメージが強くて、これまであんまり登山に挑戦しようという意欲が湧いてこなかった。これはたぶん、何度か登った富士山のイメージが強すぎて。あの、とにかく無機質というか殺風景な砂利道をひたすらに進む富士登山にあまりいいイメージがない。人が多いし、ひたすらにしんどいし、頭痛いし、その割に景色もさして代わり映えしないし、ご来光も拝めたことがない(笑)
そんなこんなで繰り返しになるけど、今回の大台ケ原は本当に歩いていて楽しかった。また近いうちに歩きたいな。
旅にはいくつかのタイプがあるって言います。
水平に大陸を進む旅
地上からの高さを求めて世界の山に挑戦する旅
はたまた、世界の海を求めてダイビングやマリンスポーツに挑戦する旅
尊敬する写真家であり探検家の石川直樹さんのように、世界の山に挑戦している姿を見ていると、とても真似できそうにないけど、少しずつ山にも挑戦してみたいなと思った。地上だけでも、到底行き尽くすことなんてできないのに、山と海を足すと人生3回分ぐらいないと見て回れないだろうな。あぁ、世界はとてつもなく広いな。人間として生まれて来たからには、できるだけ、たくさんの世界と出逢いたいな。
最後は完全に余談でしたが、ぜひ登山初心者の方も、この大台ヶ原に挑戦してみてください!
素敵な風景に出逢えます。
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